2011年11月5日土曜日

開口部(サッシュについて)


高気密住宅の代名詞と言えば外断熱と並んで断熱サッシュ+ペアガラスだ。今回の建売仕様は、標準サッシュ+ペアガラスである。しかし、今回の敷地は準防火地域にあるため敷地境界から一階で3m、2階以上は5mの範囲は、隣地からの延焼を防ぐ目的で、建築基準法で定められた、延焼の恐れのある部分となり、ほとんどが網入りガラスとなってしまう。延焼の恐れのある部分は、火災の際にガラスが割れて飛散しない様に法的に網入りガラスを入れる必要が有り(網入りガラスはコストが高い)その部分はシングルガラスが契約条件だった。
これでは窓はほとんどシングルの網入りガラスとせざるを得ず、断熱性能はシングルガラスの性能になってしまい、高気密高断熱住宅にはならない。交渉の結果、居間に使う樹脂製サッシュ(ガラスをはめるサッシュ自体に防火性能が無いので、ガラスだけ網入りにしてもしょうがない。)や大きなアルミサッシュ製の窓は、透明ガラスのペアガラスとするかわり、追加工事でスチール製の手動シャッターを設置する事で、防犯もかねて防火性能を持たせ(網入りガラスの代わりに0.8mm以上の厚みのスチール鉄板でも同じ性能の防火戸になる)、大きな開口部については全てペアガラスにした。しかし、全体の予算の関係から小さな開口部については標準のままとした。

3月に入居してから、気温の低い日は北側の水回りのサッシュに結露が見られた。しかし、同じシングルガラスでも他の部分は結露していないので、結露する部分の湿度を計って見ると冬場の乾燥する季節にもかかわらず70%近くになっていた。空気の対流が滞っているらしい。
断熱性はともかく結露は湿度のコントロールで何とかなりそうな予感がしている。ところで、結露で怖いのが壁の内部結露である。表面が結露しているのだから壁の内部でもサッシュ部分は結露している可能性が大いにある。今回は工事中に自分で発泡ウレタンをサッシュとそれを支えている木枠の間に充填した。製品はインサルパックという名前で3本使ったが完全に金属部分を覆うような施工ができなかったのが悔やまれる。


しかし、壁の内部に気流があるので少しは防げているかもしれない。

8年経って振り返ると、内部結露よりアルミ部分の表面結露が問題な事がわかった。特に冬期に加湿すると、ガラス部分よりサッシュ部分の結露が酷く、多い時は床面を濡らすほどだ。断熱サッシュにする場合はサッシュも断熱性の高い樹脂製サッシュにするのが望ましい。
近年サッシュメーカーが樹脂製サッシュで防火認定を書類審査だけで通していたが、国交省の検査で不合格となり、軒並みサッシュメーカーがリコール対象となる製品の保証をしているが、それだけ断熱性は樹脂サッシュが優れているという事かもしれない。

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